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2023-05-03

2023.05.03 11:00  NEWSポストセブン

 4月終了時点で8勝15敗、借金7で最下位に低迷。開幕して1か月を終えたばかりだが、中日が早くもペナントレースから取り残されようとしている。

 昨季6勝18敗1分と大きく負け越したDeNAに対し、今年も開幕から屈辱の5連敗で未だ勝ち星なし。昨オフに中日からDeNAに移籍した京田陽太に対戦打率.429と手痛いしっぺ返しを食らった。京田は中日在籍時の昨年5月に攻守で精彩を欠き、立浪和義監督に「戦う顔をしていない」とDeNA戦の試合中にファーム降格を通告され、横浜スタジアムから名古屋に強制送還された経緯がある。DeNAが7連勝を飾った4月30日の中日戦の試合後のハイタッチでチームメイトから「バトルフェイス京田!」と声を掛けられた映像が配信されて話題に。中日を取材するスポーツ紙記者はこう嘆く。

「立浪監督のコメントが他球団の選手にいじられているなんて情けない話ですが、これだけ弱いと何とも言えません。低迷の原因は長年の課題である得点力不足に尽きます。岡林勇希、大島洋平の1、2番は球界トップクラスのチャンスメーカーで、現役ドラフトでDeNAから移籍した細川成也も3番に定着してよく頑張っている。問題は助っ人外国人です。新外国人選手は日本野球に慣れるまで時間は必要ですが、アキーノ、アルモンテ、カリステが打率1割台と全く機能していない。なぜ、優良助っ人と言えるビシエドをファームで冷遇しているのか疑問です」

 来日8年目を迎えたビシエドは首位打者、最多安打のタイトルを獲得した実績を持ち、昨年は打率.294、14本塁打、63打点をマーク。20併殺打はリーグワーストだったが、得点圏打率.308を記録している。今季は8試合出場で打率.281、0本塁打。4月12日にファームへ降格した。報道によると、立浪監督は打撃フォーム改造の着手を命じて取り組んできたが試合で変化が見られないため、2軍で再調整を通達したという。

 他球団のスコアラーは「ビシエドはスイングスピードが落ちていることから打撃フォームの改造に踏み切ったと思いますが、現在の日本球界では指折りの優良助っ人ですよ。アキーノ、アルモンテよりはるかに怖い。4番としては物足りないかもしれないけど、そもそも中距離打者で5、6番が適任です。広角に安打を飛ばすし、甘くなれば長打もある。スタメンに名を連ねていないので助かります」と語る。

 主力だった京田、阿部寿樹をトレードで放出し、チームを刷新したが機能しているとは言えない。指揮官は石川昂弥と高橋周平を三塁のレギュラーで競わせる方針を明言していたが、4月29日のDeNA戦から高橋周を二塁で2試合連続スタメン起用。我慢強くスタメンで起用しているアキーノは68打席で32三振とボールがバットに当たらない。打率.154、1本塁打、6打点。外野も拙守が目立ちチームの足を引っ張っている。首をかしげる起用法で競争原理が働いていると言えず、ナインの士気低下が懸念される。

 落合博満元監督の下で築いた黄金時代が、「過去の栄光」になりつつある。2004年から2011年まで中日の監督を務め、4度のリーグ優勝を飾り、2007年に日本一に。全てのシーズンでAクラス入りした。だが、落合監督の退任後は低迷期に。11年間で9度のBクラス、立浪監督が就任した昨季は6年ぶりの最下位に沈んだ。

 中日ファン歴50年という愛知県在住の男性は、「長年応援してきたが、ここ数年の中日が一番弱い。フロントはろくな補強をしないし、立浪監督の起用法も不可解でチーム全体に勝つ気が感じられない。こんな戦いをしていたらファンも愛想を尽かすよ」と語気を強める。

 エースの大野雄大が4月中旬に左肘の遊離軟骨除去手術を受け、復帰は8月以降になる見通しとなった。勝負の夏場までにはい上がって来られるか。中日は早くも正念場を迎えている。

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