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2023-03-09

2023/03/01

 日本の喫茶店の歴史は古く、すでに江戸時代末期には外国人居留地にその原型が見られると言います。その後、昭和に本格的な普及が進み、思い思いに憩いの時間を過ごす場として多くの人に愛されてきました。
今回はそんな喫茶店を舞台に生まれた昭和のポップソングたちについて、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が紹介します。

【中将タカノリ(以下「中将」)】 菜津美ちゃんは喫茶店は行きますか?

【橋本菜津美(以下「橋本」)】 私、カフェイン中毒なので喫茶店はめちゃくちゃ行きますよ! 今、聞かれただけでもコーヒーが飲みたくなってきました。

【中将】 それは相当ですね! 今ある喫茶店のスタイルは昭和に確立しました。今じゃ古ぼけたお店も多いですが、昔は若者たちが集まって出会いと別れの舞台になっていたそうです。昭和のポップスには喫茶店をテーマにした楽曲も多いんですよ。

【橋本】 そうなんですね! 最近も喫茶店やカフェについての曲というのはなくはないけど、そんなには目立ちませんね。どんな曲が流行ったんでしょうか?

【中将】 ガロの「学生街の喫茶店」(1972)は有名ですよね。リリース時は「美しすぎて」という曲のB面でしたが、『ヤングタウンTOKYO』(TBSラジオ)の「今月の歌」に選ばれたことから火がつき、オリコン・ウイークリーランキング1位、1973年度の年間ランキング3位という大ヒットになりました。

【橋本】 この曲、知ってました。今のお洒落な雰囲気のカフェという感じではなくて、少し懐かしいスタイルの喫茶店が目に浮かびます。

【中将】 タイトル通り、まさに学生たちが集まるようなお店なんだろうけど、最近のカフェみたいに大きなソファーなどはなさそうですよね。薄暗い店内の狭いテーブルで肩を寄せ合ってお茶している感じです。

 次に紹介する曲は、あべ静江「コーヒーショップで」(1973)。さっきと同じく学生街にある喫茶店について歌った曲だけど、まさに「学生街の喫茶店」が大ヒットしていたのでその路線を見習って作ったとのこと。でも、それだけこういう雰囲気の喫茶店が若者に支持されていたんでしょうね。

【橋本】 喫茶店って「コーヒーショップ」や「純喫茶」などいろんな呼び方がありますよね。コーヒーショップは特にコーヒーに力を入れているのかなという感じですが、純喫茶という言葉はどこから来たんでしょうか?

【中将】 大正時代にコーヒーを飲ませる「カフェー」という形態の飲食店が流行したのですが、次第にお酒や女給さんの過激サービスを売りにする風俗店みたいなお店が増えちゃったんです。そこで、本格的にお茶やコーヒーにこだわるお店は差別化のために「純喫茶」と名乗ったんですね。

【橋本】 不純な喫茶店との差別化だったんですね……勉強になります! でも最近になってまた「メイド喫茶」などが出てきているので、歴史って本当に繰り返しですね(笑)。

【中将】 次にご紹介する曲はキャロルの「コーヒー・ショップの女の娘」(1973)。キャロルは当時の不良文化の象徴みたいな存在ですが、当時はちょっとツッパったお兄ちゃんも喫茶店が大好きだったわけですね。昔の映画を観ると中学生、高校生は校則で喫茶店への出入りを禁止されたりしていますが、喫茶店は今のイメージよりもう少し大人びたカッコいいスポットだったようです。

【橋本】 喫茶店がカッコいい時代だったんですね。この曲もとてもお洒落な雰囲気ですよね。

【中将】 喫茶店で好きな女の子に思いをはせている……というだけの内容ですが、「窓の外ばかり 見つめてるあの娘」など、詞的でイメージが膨らみますよね。ジョニー大倉さんの甘い声ととてもマッチしていると思います。

     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://jocr.jp/raditopi/2023/03/01/487916/?detail-page=2