2023-05-21
OBの大谷翔平の活躍とは正反対である。新球場を開設したものの、客席はガラガラ、チームはガタガタの日ハム。その要因のひとつに「ビッグボス」が。
「球団は頭が痛いでしょう」
とは、さるスポーツ紙の中堅デスクである。
日本ハムは今シーズンから新球場・エスコンフィールドHOKKAIDOをオープンした。それまでの本拠地・札幌ドームは第三セクターの運営で、収益は球団にほとんど入らない。そのため、球団は自前で球場を建設。勝負に出たわけである。
ところが、現状、エスコンの平均動員数は2万3千人ほど。球団は目標を年間300万人としていたが、このペースでは程遠い。
「立地が悪いですよね」
とデスクが言う。
「郊外の北広島市にあり、最寄り駅から歩けば20分。車で行こうにも、駐車場の台数が少ないうえ、シャトルバスは出ていますが、当然混雑し、ひどい時は乗車まで1時間半待ちなんて日も」
それでもチームが好調なら客足も伸びるが、昨季最下位の低迷をそのまま引きずり、今季もBクラスでウロウロしている。
別のチームの…
客観的に見れば、パ・リーグの他球団と比べ、日ハムが戦力に劣るのは明らか。やむを得ない面もあるが、
「新庄(剛志)監督(51)のメッキが剥げ、チームがバラバラ。活気に欠けていますね」
とは、別のスポーツ紙のベテランデスク。何が問題なのか。昨季の就任時、監督は「優勝を狙わない」と述べたが、
「あれがベテラン選手の不興を買いました。また、若い選手の成長を促す意味で“レギュラーは決まってない”とも述べましたが、これもプライドを傷つけた。中心打者だった近藤(健介)が昨年オフに移籍したのはこのためです」
その近藤は地元テレビで堂々批判を述べていたほど。
「監督は反省したのか、今シーズンは一転、“優勝しか狙っていない”と言った。それはいいのですが、シーズンイン直後、元ロッテの西岡剛のYouTubeの番組に出たんです。ここでの発言がまた波紋を呼んで……」
番組で新庄は「誰が監督でも勝てない」「強いチームを作って、自分はまた違うチームの監督をしたい」との主旨の発言をしたのだ。
「あれでは日ハムは腰掛けに過ぎないと取られてしまいますからね。ベテラン選手からは“何で監督自身が水を差すのか”と批判が噴出しました」
チームは空中分解寸前。
「選手をコロコロ替えるため、ある有力投手は“監督が何をやりたいのかわからない”“奇抜な采配で自分が目立ちたいだけじゃないか”と。中心打者も“早く出たい”と不満を口にする始末です」
さらには、
「あるコーチは監督に“すべてを任せる”と言われたものの、後で“選手側に立つな”と言われ、周囲に困惑の弁を漏らしたとか」
口は禍(わざわい)の門である。
「それでも日ハムはよく戦っていますよ」
とフォローするのは、OBの岩本勉氏。
「昨年植え付けた新庄野球が、ようやく選手に理解されてきた印象。開幕当初は手探りでしたが、ここから伸びが期待できる」
現役最終年を日ハムで過ごした野球評論家の高木豊氏も、
「優勝はさすがに時間がかかると思いますが、徐々に選手は育ってきています」
とエールを送るが、前出のベテランデスクは言う。
「球団が新庄をサプライズで招聘(しょうへい)したのも、成績はともかく、観客動員を期待したからこそ。そこが駄目では、続投は……」
「週刊新潮」2023年5月18日号 掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05211058/
5/21
「球団は頭が痛いでしょう」
とは、さるスポーツ紙の中堅デスクである。
日本ハムは今シーズンから新球場・エスコンフィールドHOKKAIDOをオープンした。それまでの本拠地・札幌ドームは第三セクターの運営で、収益は球団にほとんど入らない。そのため、球団は自前で球場を建設。勝負に出たわけである。
ところが、現状、エスコンの平均動員数は2万3千人ほど。球団は目標を年間300万人としていたが、このペースでは程遠い。
「立地が悪いですよね」
とデスクが言う。
「郊外の北広島市にあり、最寄り駅から歩けば20分。車で行こうにも、駐車場の台数が少ないうえ、シャトルバスは出ていますが、当然混雑し、ひどい時は乗車まで1時間半待ちなんて日も」
それでもチームが好調なら客足も伸びるが、昨季最下位の低迷をそのまま引きずり、今季もBクラスでウロウロしている。
別のチームの…
客観的に見れば、パ・リーグの他球団と比べ、日ハムが戦力に劣るのは明らか。やむを得ない面もあるが、
「新庄(剛志)監督(51)のメッキが剥げ、チームがバラバラ。活気に欠けていますね」
とは、別のスポーツ紙のベテランデスク。何が問題なのか。昨季の就任時、監督は「優勝を狙わない」と述べたが、
「あれがベテラン選手の不興を買いました。また、若い選手の成長を促す意味で“レギュラーは決まってない”とも述べましたが、これもプライドを傷つけた。中心打者だった近藤(健介)が昨年オフに移籍したのはこのためです」
その近藤は地元テレビで堂々批判を述べていたほど。
「監督は反省したのか、今シーズンは一転、“優勝しか狙っていない”と言った。それはいいのですが、シーズンイン直後、元ロッテの西岡剛のYouTubeの番組に出たんです。ここでの発言がまた波紋を呼んで……」
番組で新庄は「誰が監督でも勝てない」「強いチームを作って、自分はまた違うチームの監督をしたい」との主旨の発言をしたのだ。
「あれでは日ハムは腰掛けに過ぎないと取られてしまいますからね。ベテラン選手からは“何で監督自身が水を差すのか”と批判が噴出しました」
チームは空中分解寸前。
「選手をコロコロ替えるため、ある有力投手は“監督が何をやりたいのかわからない”“奇抜な采配で自分が目立ちたいだけじゃないか”と。中心打者も“早く出たい”と不満を口にする始末です」
さらには、
「あるコーチは監督に“すべてを任せる”と言われたものの、後で“選手側に立つな”と言われ、周囲に困惑の弁を漏らしたとか」
口は禍(わざわい)の門である。
「それでも日ハムはよく戦っていますよ」
とフォローするのは、OBの岩本勉氏。
「昨年植え付けた新庄野球が、ようやく選手に理解されてきた印象。開幕当初は手探りでしたが、ここから伸びが期待できる」
現役最終年を日ハムで過ごした野球評論家の高木豊氏も、
「優勝はさすがに時間がかかると思いますが、徐々に選手は育ってきています」
とエールを送るが、前出のベテランデスクは言う。
「球団が新庄をサプライズで招聘(しょうへい)したのも、成績はともかく、観客動員を期待したからこそ。そこが駄目では、続投は……」
「週刊新潮」2023年5月18日号 掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05211058/
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