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2023-03-09

2023.03.09

鳥越 規央江戸川大学客員教授


「東京ドームはホームランが出やすい」とよく言われます。それは本当なのでしょうか。

統計手法を駆使してさまざまな角度から野球を分析する「セイバーメトリクス」。その最新研究を紹介しながら、プロ野球チームのホームグラウンドとなっている12球場で、もっともホームランの出る球場がどこかを分析してみましょう。
https://gendai.media/articles/-/106995






野球場は左右非対称でもOKなんです!

『公認野球規則』2.01には「競技場の設定」という項目がある。そこには「球場の大きさ」に関する規定が記されていて、「塁間の距離」と「本塁と投手板の距離」は、すべての野球場で統一されている。

しかし、プロ野球のフランチャイズとして使用される球場の場合は、「本塁よりフェアグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は250フィート(76.199m)以上を必要」とするが、「両翼は 320 フィート(97.534m) 以上、中堅は400 フィート(121.918m)以上あること」が「優先して望まれる」とあり、統一の規格というわけではない。

つまりその基準さえ守っていれば、たとえば左右非対称な球場であってもかまわないのである。

巨人でも大活躍した澤村拓一投手が所属するMLBのレッドソックスの本拠地であるボストンのフェンウェイ・パークは、本塁から左翼までが310フィート(約94.5m)、左中間までも379フィート(約115.5m)で、この間は膨らみのない直線的な構造となっている。

これはボストン市街に購入した土地の広さに制限がかかり、レフト側のフェンスまでの距離を極端に狭くせざるをえなくなったためだ。その代わり、レフト側のフェンスは37フィート(約11.3m)もあり、「グリーン・モンスター」と称される大きな壁となっている。

また、サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるAT&Tパーク(現・オラクル・パーク)も左右非対称だ。この球場のライト側の奥には海があり、ジャイアンツのバリー・ボンズが海に場外本塁打を打ち込む「スプラッシュ・ヒット」が有名になったため、ライト側が狭いと思われているが、左中間が364フィート(約110.9m)であるのに対して、右中間は421フィート(約128.3m)と、実はライト側のほうが広く設計されている。

翻って日本の球場は、ほとんどが左右対称のつくりとなっている。唯一、カープの本拠地であるMAZDA Zoom‒Zoomスタジアム広島が左右非対称であるが、本塁からレ
フトポールまでが101m 、ライトポールまでが100mと、1mほどの差でしかない。

しかし、日本の球場には広さに差異があり、たとえば横浜スタジアムの本塁から両翼ポールまでは94.2mしかなく、MAZDA Zoom‒Zoomスタジアム広島と比較すると5〜6mの差がある。その分、フェンスの高さは広島が2.5〜3.6m 、横浜が5.0〜5.3mと、横浜のほうが高い。

https://gendai.media/articles/-/106995?page=2
立地条件の影響も考えてみると