2023-05-29
5/29(月) 12:10配信
読売新聞(ヨミドクター)
ウェルネスとーく
Mr.マリックさんは人気絶頂期に顔面まひの治療でテレビから遠ざかった時期がありました。しかし、どんな時も周囲から求められることに真摯(しんし)に向き合い続けました。その後、ユニークなキャラに扮(ふん)してバラエティー番組で活躍、74歳になった今も「超魔術」で不思議な世界を見せてくれています。(聞き手・山口千尋)
【写真3枚】Mr.マリックさん 23歳の頃、ハワイで開催された世界大会で優勝
撮影・中山博敬
――病気の治療後、仕事がなくなってから大変だったのではないでしょうか。
無名だった頃から付き合いのあるテリー伊藤さんが「バラエティー番組に出演してみないか」と声をかけてくれました。どう振る舞えばいいのかわからず緊張していましたが、テリーさんは「テレビは楽しめばいいから」と励ましてくれて。そこで演歌歌手の恰好(かっこう)をしてみたり、いじってもらったりしたんです。
それを見ていた日本テレビのプロデューサーから声がかかって生まれたのが、新キャラクター「栗間太澄(くりまたすみ)」でした。
――栗間太澄は日テレ系バラエティー番組「投稿!特ホウ王国」に出てくる謎の人物。名前を後ろから読むと「みすたまりく」でマリックさんとわかるのですが、最初はそっくりさんだと思っていました。
親戚のおじさんから「お前よりすごいのが出てきたぞ、何やってんだ」って電話がかかってきました。顔面まひの治療でテレビに出なかった時期があったからできた演出でした。秋葉原の電気街に行って売り物の電球をその場で光らせてお店の人を驚かせたりして、面白かったですね。外でマジックを披露するのはすごく新鮮でした。
――その後も、同局のバラエティー番組「エンタの神様」では松尾幻燈斎(まつおげんとうさい)という仙人のようなキャラに扮してマジックを披露していました。
エンタの神様では、瓶の中に針と糸を入れて振ると針に糸が通っているとか、靴紐が結ばれていないスニーカーを上に投げて、落ちてくる時にはヒモが結ばれているとか、プロデューサーが「来週はこういうマジックをやってほしい」と絵を描いたものを作っていました。
やるには様々なマジックの原理を知らないとできないんです。私は自分でマジックグッズのお店を経営した経験があり、世界中のマジックのタネを知っていたので、なんとか無理難題に応えることができました。
これまでは自分で考えたマジックを披露していました。観客が見たいものを作る、というのは大変でしたが、毎週お題を出されて応えていくうちに、マジシャンとしてもう一段階、成長することができましたね。
――まるで魔法のようです。
ところが、マジックを扱った番組って、好きな人は見るけど、そうじゃない人はあまり見てくれません。どうしてそうなるのか気になってイライラしてしまうそうです。
そこで、テレビ東京系「たけしの誰でもピカソ」ではマジックのタネ明かしをしました。ただタネを明かしても面白くないので、なるほどと思ってもらえて、見た人が再現できるものにしました。
ご近所さんから「私マジック嫌いだったけど、誰でもピカソでマジックを面白いと思ったのよ」と声をかけられて、やっとマジックに興味がなかった人に見てもらえる番組ができたなぁとうれしかったです。
次ページは:「できません」と言ったらそこで終わり
https://news.yahoo.co.jp/articles/0dfa52dbfccdc3d19c7c8fb554e52dc6dc69b1d5
https://image.yomidr.yomiuri.co.jp/wp-content/uploads/2023/05/20230510-OYTET50016_01-L.jpg
読売新聞(ヨミドクター)
ウェルネスとーく
Mr.マリックさんは人気絶頂期に顔面まひの治療でテレビから遠ざかった時期がありました。しかし、どんな時も周囲から求められることに真摯(しんし)に向き合い続けました。その後、ユニークなキャラに扮(ふん)してバラエティー番組で活躍、74歳になった今も「超魔術」で不思議な世界を見せてくれています。(聞き手・山口千尋)
【写真3枚】Mr.マリックさん 23歳の頃、ハワイで開催された世界大会で優勝
撮影・中山博敬
――病気の治療後、仕事がなくなってから大変だったのではないでしょうか。
無名だった頃から付き合いのあるテリー伊藤さんが「バラエティー番組に出演してみないか」と声をかけてくれました。どう振る舞えばいいのかわからず緊張していましたが、テリーさんは「テレビは楽しめばいいから」と励ましてくれて。そこで演歌歌手の恰好(かっこう)をしてみたり、いじってもらったりしたんです。
それを見ていた日本テレビのプロデューサーから声がかかって生まれたのが、新キャラクター「栗間太澄(くりまたすみ)」でした。
――栗間太澄は日テレ系バラエティー番組「投稿!特ホウ王国」に出てくる謎の人物。名前を後ろから読むと「みすたまりく」でマリックさんとわかるのですが、最初はそっくりさんだと思っていました。
親戚のおじさんから「お前よりすごいのが出てきたぞ、何やってんだ」って電話がかかってきました。顔面まひの治療でテレビに出なかった時期があったからできた演出でした。秋葉原の電気街に行って売り物の電球をその場で光らせてお店の人を驚かせたりして、面白かったですね。外でマジックを披露するのはすごく新鮮でした。
――その後も、同局のバラエティー番組「エンタの神様」では松尾幻燈斎(まつおげんとうさい)という仙人のようなキャラに扮してマジックを披露していました。
エンタの神様では、瓶の中に針と糸を入れて振ると針に糸が通っているとか、靴紐が結ばれていないスニーカーを上に投げて、落ちてくる時にはヒモが結ばれているとか、プロデューサーが「来週はこういうマジックをやってほしい」と絵を描いたものを作っていました。
やるには様々なマジックの原理を知らないとできないんです。私は自分でマジックグッズのお店を経営した経験があり、世界中のマジックのタネを知っていたので、なんとか無理難題に応えることができました。
これまでは自分で考えたマジックを披露していました。観客が見たいものを作る、というのは大変でしたが、毎週お題を出されて応えていくうちに、マジシャンとしてもう一段階、成長することができましたね。
――まるで魔法のようです。
ところが、マジックを扱った番組って、好きな人は見るけど、そうじゃない人はあまり見てくれません。どうしてそうなるのか気になってイライラしてしまうそうです。
そこで、テレビ東京系「たけしの誰でもピカソ」ではマジックのタネ明かしをしました。ただタネを明かしても面白くないので、なるほどと思ってもらえて、見た人が再現できるものにしました。
ご近所さんから「私マジック嫌いだったけど、誰でもピカソでマジックを面白いと思ったのよ」と声をかけられて、やっとマジックに興味がなかった人に見てもらえる番組ができたなぁとうれしかったです。
次ページは:「できません」と言ったらそこで終わり
https://news.yahoo.co.jp/articles/0dfa52dbfccdc3d19c7c8fb554e52dc6dc69b1d5
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