2023-05-09
「文藝春秋」編集部
昨年12月26日に宝塚歌劇団を退団した脚本家・演出家の原田諒氏。5月10日発売号の月刊「文藝春秋」に手記を寄稿し、退団に至る顛末と歌劇団に復籍を求め提訴したことを明らかにした。
歌劇団の声明に対し、原田氏は手記で反論
原田氏は2003年に宝塚歌劇団に入団。10年に演出家デビューし、『ロバート・キャパ 魂の記録』(12年)、『For the people-リンカーン 自由を求めた男-』(16年)で読売演劇大賞、18年には菊田一夫演劇賞を受賞している。
原田氏が退団するきっかけとなったのはハラスメント報道だった。
昨年12月28日発売「週刊文春」の「宝塚有名演出家の性加害とパワハラ」と題する記事で、原田氏が20代の演出助手A氏を執拗にホテルに誘い、セクハラ発言を繰り返していたこと、雪組トップスターの彩風咲奈と雪組トップ娘役の朝月希和(当時)に暴言を吐いていたことが報じられた。
歌劇団は、報道後、「(A氏に対する)ハラスメント事案があったことは弊団として確認しており、関係者から慎重に聞き取りを行い、また弁護士等の見解を参考に、厳正に対処するとともに、ハラスメントを受けた方の心情に寄り添い真摯に対応しております」などと声明を発表した。
こうした歌劇団の発表に対し、原田氏は手記で反論している。LINEの会話や、日記と録音をもとにA氏や歌劇団幹部とのやり取りを再現している。
原田氏に届いたA氏からのLINE
原田氏がA氏と初めて会ったのは2022年4月のこと。元宝塚トップスターの真矢ミキ氏が主治医からの相談を受け、演出助手を志望するA氏を原田氏に紹介。原田氏は歌劇団選考試験の相談に乗っていた。7月30日、彼から内定の報告を受けると、頻繁に連絡がくるようになったという。
〈「週刊文春」では《憧れの宝塚に入れる喜びから一転、Aさんの恐怖と戦う日々が始まった》と報じられたが、私の認識とは大きく異なる〉(以下、原田氏の手記からの引用)
A氏から原田氏にこんなLINEが連日届いていた。
「お身体とご予定が可能でしたら、朝ご飯をご一緒させてください」
「東京にいらっしゃる時は足にならせてください」
「モーニングコールはお任せください」
「宝塚に行っても、できる限りお側にいさせてください!」
会話の大半は演劇についてだったが、時には冗談も言い合う間柄に
「週刊文春」で報じられた「セクハラ」発言は、いつ・どんな場面で発した言葉なのか、いくつか明確に記憶があるという。例えば、「君のことを犯してしまうと思う」は、8月、音楽制作が深夜2時まで続いた或る夜の会話がもとになっていると振り返る。
〈この日もAは迎えに来てくれ、2人で軽く食事をして私の滞在先のホテルに着いたのは深夜3時過ぎ。車を降りようとしたとき、Aとこんな会話をした。「先生、明日は何時ですか」「朝イチで打合せがあるから、始発の飛行機で帰るよ」「お迎えに上がります!」「いいよ、タクシーで行くから」「いや大丈夫です!」20時間近い音楽制作後の、真夏の熱帯夜である。私の疲労は極限に達し、迎えに来るの来ないの、そんな押し問答をする体力も気力も残っていなかった。閉口した私は思わず、「大丈夫じゃないやん。君が全然寝られへんやん。それやったらもう泊まっていき。でもベッドひとつしかないから、犯すかもわからへんで」と冗談めかして言った。それで互いに大笑いとなり、ようやくAは帰って行った〉
原田氏は、タイミングが合えば、A氏を食事に誘って演出助手時代の経験談を話し、譜面読みや音出しのコツなどを伝授したという。A氏との会話の大半は演劇についてだったが、打ち解けるようになるにつれ、時に冗談も言い合う間柄に。A氏も、自身の性事情など、下ネタを自ら進んで話題にすることがあった。
「恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない」
〈私の発言として報じられている「1週間に何回(自慰を)するの?」などは、そうした猥談の中の言葉だが、性行為の要求は身に覚えがない。とはいえ、彼とは冗談で下ネタを言い合える関係だと勘違いしてしまった。演出家と演出助手の関係を考えれば後輩に対してふさわしくない言葉だったと反省している。ただ、明確に否定したいのは、週刊文春誌上の「何度もホテルに誘い」「一緒に裸で寝よ」といった言動を、常習的に繰り返したとする部分だ。Aに対して恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない。当然、指一本触れたこともなければ自宅に入れたこともない〉
続きはソースをご覧ください
https://bunshun.jp/articles/-/62591
昨年12月26日に宝塚歌劇団を退団した脚本家・演出家の原田諒氏。5月10日発売号の月刊「文藝春秋」に手記を寄稿し、退団に至る顛末と歌劇団に復籍を求め提訴したことを明らかにした。
歌劇団の声明に対し、原田氏は手記で反論
原田氏は2003年に宝塚歌劇団に入団。10年に演出家デビューし、『ロバート・キャパ 魂の記録』(12年)、『For the people-リンカーン 自由を求めた男-』(16年)で読売演劇大賞、18年には菊田一夫演劇賞を受賞している。
原田氏が退団するきっかけとなったのはハラスメント報道だった。
昨年12月28日発売「週刊文春」の「宝塚有名演出家の性加害とパワハラ」と題する記事で、原田氏が20代の演出助手A氏を執拗にホテルに誘い、セクハラ発言を繰り返していたこと、雪組トップスターの彩風咲奈と雪組トップ娘役の朝月希和(当時)に暴言を吐いていたことが報じられた。
歌劇団は、報道後、「(A氏に対する)ハラスメント事案があったことは弊団として確認しており、関係者から慎重に聞き取りを行い、また弁護士等の見解を参考に、厳正に対処するとともに、ハラスメントを受けた方の心情に寄り添い真摯に対応しております」などと声明を発表した。
こうした歌劇団の発表に対し、原田氏は手記で反論している。LINEの会話や、日記と録音をもとにA氏や歌劇団幹部とのやり取りを再現している。
原田氏に届いたA氏からのLINE
原田氏がA氏と初めて会ったのは2022年4月のこと。元宝塚トップスターの真矢ミキ氏が主治医からの相談を受け、演出助手を志望するA氏を原田氏に紹介。原田氏は歌劇団選考試験の相談に乗っていた。7月30日、彼から内定の報告を受けると、頻繁に連絡がくるようになったという。
〈「週刊文春」では《憧れの宝塚に入れる喜びから一転、Aさんの恐怖と戦う日々が始まった》と報じられたが、私の認識とは大きく異なる〉(以下、原田氏の手記からの引用)
A氏から原田氏にこんなLINEが連日届いていた。
「お身体とご予定が可能でしたら、朝ご飯をご一緒させてください」
「東京にいらっしゃる時は足にならせてください」
「モーニングコールはお任せください」
「宝塚に行っても、できる限りお側にいさせてください!」
会話の大半は演劇についてだったが、時には冗談も言い合う間柄に
「週刊文春」で報じられた「セクハラ」発言は、いつ・どんな場面で発した言葉なのか、いくつか明確に記憶があるという。例えば、「君のことを犯してしまうと思う」は、8月、音楽制作が深夜2時まで続いた或る夜の会話がもとになっていると振り返る。
〈この日もAは迎えに来てくれ、2人で軽く食事をして私の滞在先のホテルに着いたのは深夜3時過ぎ。車を降りようとしたとき、Aとこんな会話をした。「先生、明日は何時ですか」「朝イチで打合せがあるから、始発の飛行機で帰るよ」「お迎えに上がります!」「いいよ、タクシーで行くから」「いや大丈夫です!」20時間近い音楽制作後の、真夏の熱帯夜である。私の疲労は極限に達し、迎えに来るの来ないの、そんな押し問答をする体力も気力も残っていなかった。閉口した私は思わず、「大丈夫じゃないやん。君が全然寝られへんやん。それやったらもう泊まっていき。でもベッドひとつしかないから、犯すかもわからへんで」と冗談めかして言った。それで互いに大笑いとなり、ようやくAは帰って行った〉
原田氏は、タイミングが合えば、A氏を食事に誘って演出助手時代の経験談を話し、譜面読みや音出しのコツなどを伝授したという。A氏との会話の大半は演劇についてだったが、打ち解けるようになるにつれ、時に冗談も言い合う間柄に。A氏も、自身の性事情など、下ネタを自ら進んで話題にすることがあった。
「恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない」
〈私の発言として報じられている「1週間に何回(自慰を)するの?」などは、そうした猥談の中の言葉だが、性行為の要求は身に覚えがない。とはいえ、彼とは冗談で下ネタを言い合える関係だと勘違いしてしまった。演出家と演出助手の関係を考えれば後輩に対してふさわしくない言葉だったと反省している。ただ、明確に否定したいのは、週刊文春誌上の「何度もホテルに誘い」「一緒に裸で寝よ」といった言動を、常習的に繰り返したとする部分だ。Aに対して恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない。当然、指一本触れたこともなければ自宅に入れたこともない〉
続きはソースをご覧ください
https://bunshun.jp/articles/-/62591